公益認定基準~その4

<認定法5条6号>その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること

簡単に言えば、公益目的事業に関する収入と支出が相償するようなバランスになっている必要があるということです。

これについては、区分経理の話など、詳細を把握できないと骨の折れる話になりますので、ここでは説明を省きます。

<認定法5条7号>公益目的事業以外の事業を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること

公益法人であっても、公益事業を行うために必要な経費を賄うために収益事業を行うことが可能です。
また、収益事業で得ることができた収益を全て公益事業のために使用しなければならないわけでもありません。(基本的には50%でOK)
もちろん、この収益事業に関する会計は、公益事業に関する会計と区分して経理する必要はあります。

要するに7号で言いたいのは、収益事業に没頭して公益事業に支障をきたすことがないようにしなさいということです。

<補足>
ですから、赤字の収益事業はこの要件に抵触する可能性が高いことになります。

公益認定基準~その3

<認定法5条4号>その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄付その他の特別の利益を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄付その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。

基本的には、昨日お話した3号と同じですね。
要するに3号は法人の内部についての規制で、4号は法人の外部についての規制ということになります。
問題は、「ただし・・・」以降の部分でしょう。

他の公益法人に対する寄付や助成金や補助金の支出だけを目的として存在している公益法人の存在を聞くことがありますが、これはアウトになる可能性が極めて高いですね。

本来であれば、公益法人に対する支出(特別の利益を与える行為)は、そもそも相手方が公益法人であるわけですから、その支出された財産の使い道は公益目的事業ということになるはずです。
ですからセーフのはず。
しかし、「特別の利益」と記載されていることから推察すると、通常の経費の範囲を超えて支出することは許されないと判断すべきでしょう。

<補足>4号但し書きについて
公益法人においては、制限があるものの、収益事業自体は行うことができます。
したがって、単なる「寄付」ではなく、「特定寄付」として、受け取った相手側が、「指定正味財産」として区分する必要があると考えられているようです。

<認定法5条5号>投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること

この規約に関する判断も微妙ですね。
特に前半部分については、要するに財務会計をしっかりやり、役員がきっちり関与し、その中で例えば投資等により資産運用するのであれば許されると解釈されているようですが、微妙ですよねえ。事業を圧迫するようなことがあってはならないことだけは間違いないですけど。

公益認定基準~その2

<認定法5条2号>公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること

まずは、”経理的基礎”って何?てことですが、これは以下の3点について審査されることになります。

①財政基盤の明確化
貸借対照表や収支予算書により、財務状態や収益構造について審査されます。
②経理処理・財産管理の適正性
会計帳簿が適正に備えられているか?や、不適正な経理を行っていないか?が審査されます。
③情報開示の適正性
外部監査を受けているか?又は、費用及び損失又は収益の額が1億円以上の場合は公認会計士又は税理士が監事を努めていることが要件となります。

次に”技術的能力”て何?って話です。
簡単に言うと、法人の事業実施のための技術、専門的人材や設備などの能力を確保するって話。
もう少し分かりやすく言うと、職員や理事の中に当該法人の事業に関する専門家が一人もいなければ、”技術的能力ゼロ”と判断されますよってことです。

<認定法5条3号>その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること

これは公益法人の性質からすれば当たり前のことですね。
この「特別な利益」に関する判断は、公益認定等委員会が行いますが、どこまでが特別な利益と判断されるかについては明確になっていませので、注意が必要ですね。
具体的な例としては、法人の事業の下請業者として理事等の親族が経営する会社を使うなんてのは分かりやすい例ですかね。
ちなみに、認定法施行令によると、法人の理事等の親族の他に、内縁関係者、愛人なんかも「特別な利益」を与えてはいけない対象として挙げられています。

公益認定基準~その1

認定法5条に規定されている公益認定基準の18項目

<認定法5条1号>公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること

あまりにも当然の内容ですね。まあ、そうは言っても漠然としているのも事実で、いったい何をもって”公益目的”とするのか?が肝になりますよねえ。

それについては、まず、認定法2条4号に”公益目的事業”についての定義があります。

<認定法2条4号>学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定多数かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう

そして、ここに記載されている”別表”に、23の事業種類が記載されています。全てを記載するのは大変なので、分かりやすい例を挙げると、「高齢者の福祉の増進を目的とする事業」なんかが挙げられています。
そして、公益認定等ガイドラインには、”17の事業区分(事業の実施方法)”が設けられ、それぞれに”事業名の例”が掲げられています。
例えば、先述した23事業種類の「高齢者の福祉の増進を目的とする事業」に対応するものとしては、事業区分「相談、助言」、事業名「相談、相談対応、相談会、指導、コンサルタント、助言、苦情処理」なんかが当てはまるのではないでしょうか?

非常に分かりにくいですが、要するに「2条別表に記載された23事業種類に該当し、かつ、ガイドラインで示された17の事業区分に該当する事業」が、公益目的事業ということになるわけです。

尚、認定法5条1号にある「主たる目的」の判断基準は、申請時に記載する予算書上の公益目的事業の事業費割合の見込みが50%以上になることとされています。
つまり、公益目的事業に経費の50%以上をかけなさいってことです。

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