公益認定基準~その9

<認定法5条17号>29条1項若しくは2項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合において、公益目的取得財産残額があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から1箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人又は地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。
イ.私立学校法3条に規定する学校法人
ロ.社会福祉法22条に規定する社会福祉法人
ハ.更正保護事業法2条6項に規定する更生保護法人
二.独立行政法人通則法2条1項に規定する独立行政法人
ホ.国立大学法人法2条1項に規定する国立大学法人又は同条3項に規定する大学共同利用機関法人
ヘ.地方独立行政法人法2条1項に規定する地方独立行政法人
ト.その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人

公益目的取得財産残額とは、当該公益法人が取得した全ての公益目的事業財産から公益目的事業を行うために消費した財産を控除した残りの財産です。
要するに公益目的事業の為に取得した財産であるから、勝手に処分してはいけませんよ。ということです。
そして、公益法人でなくなる場合や、法人が消滅してしまう場合に備えて、その財産の処分方法を予め定款で定めておきなさいということです。
ちなみに、この定款の定めは、申請時には、「17号各号に掲げる者」とのみ定めてあれば足りることになっています。

<認定法5条18号>清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること

17号と同じことですね。

公益認定基準~その8

<認定法5条15号>他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。

要するに社団・財団をダミー会社としての企業支配を防止するということですね。
ここにいう「財産」については、認定法施行規則4条に記されています。
1.株式
2.特別な法律により設立された法人の発行する出資に基づく権利
3.合名会社、合資会社、合同会社その他の社団法人の社員権
4.組合契約等に基づく権利等
5.信託契約に基づく委託者又は受益者としての権利
6.外国の法令に基づく財産等

また、議決権の過半数を保有している場合は、実効支配が可能であると判断されることになりますから、保有株の議決権数を50%以下に減らす、保有株の議決権を無議決権とする、信託財産にして議決権を受託者に全部渡しておく、などの対策が必要になります。

<認定法5条16号>公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること

不可欠特定財産とは、法人の目的事業と密接な関係にあって、それなくして事業の実施が困難な財産ということです。
具体的には次のような財産が考えられます。
1.再収集が困難な美術館の美術品
2.歴史的価値があり再生不可能な建造物 等。

公益認定基準~その7

<認定法5条13号>その理事、監事及び評議員に対する報酬等について、内閣府で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。

公益法人ですから利益分配しないわけですから、不当に高額な報酬というのは本来有り得ないわけですから、当然の規定ですね。

<認定法5条14号>一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること
イ.社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取り扱いをする条件その他不当な条件を付していないものであること
ロ.社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること
(1)社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取り扱いをしないものであること
(2)社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること
ハ.理事会を置いているものであること

社員の入会条件が妥当であるかが最大の焦点ですね。
要するに最高意思決定機関は社員総会ですから、その意思決定は適切に行われる必要があるということです。

公益認定基準~その6

<認定法5条10号>各理事について、当該理事及びその配偶者又は三親等内の親族である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること。監事についても、同様とする。

公益目的の為に存在する法人ですから、同族会社的な存在であってはいけないということですね。
これは、特に難しい話ではないですね。

<認定法5条11号>他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること。監事についても、同様とする。

これも10号と同じ趣旨の規定ですね。
”他の団体”というのは、特定の企業や団体のことを指し、条文中のカッコ書きにもある通り、公益法人は対象外です。

<認定法5条12号>会計監査人を置いているものであること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りではない。

政令で定めた会計監査人を置く必要がある基準は以下の通りです。
1.損益計算書の収益の部に計上した額の合計額が1000億円以上
2.損益計算書の費用及び損失の部に計上した額の合計が1000億円以上
3.貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円以上
この基準からすると、ほとんどの公益法人は、会計監査人を置く必要がないような気がします。

公益認定基準~その5

<認定法5条8号>その事業活動を行うにあたり、第15条に規定する公益目的事業比率が100分の50以上となると見込まれるものであること

条文自体はそれほど難しいことを言っているわけではないですね。
要するに、公益目的事業が50%以上であることが必要というわけです。
公益事業比率が50%以上というのは具体的には、こういうことです。

公益目的事業経費+収益事業等経費+運営に必要な経常的経費×100≧50

<認定法5条9号>その事業活動を行うに当たり、第16条第2項に規定する遊休財産額が同条第1項の制限を超えないと見込まれるものであること

遊休財産と言っても、その財産は公益目的事業のためにある財産ですから、保有したまま何も使用しないというのは、そもそもの公益法人の目的に反することになります。
したがって、その遊休財産が翌事業年度に公益目的事業を行うのに必要な額を上回るようなことはやめましょうってことです。
遊休財産については、施行規則に控除対象財産が定められていますが、それについての説明はここでは省略します。